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パンデイロのテーピングに関する定性的考察

音響学に詳しい人の叱咤をいただきたいなぁ。激しく。

なぜパンデイロ(まあ打楽器でもいいや)の音は音程感が無いか。
倍音構造が整数倍でなく、非整数次も含んだ複雑な構造になるから。
さらにそれはなぜか?それは振動する膜が丸いからです。
逆に言うと、ギター等の"弦"は整数次倍音を発生させやすく、
音程を出すのに適しているとも言える。(参考

パンデイロの鼓面にテーピングをして、音を何とかしてやろう、
というのが熱病のように流行っている。
まあ皆さんいろいろ試しているようですが。
理屈で考えると、"ド"を打った時に発生する振動モードを制御できるはずです。

一先ず、現在のパンデシーンでは
スザーノの"□に×"が流行のようですな。
スザーノ本人は"オーバートーン(倍音)を抑えるため"とコメントしている。
高音をカットして、音を低音に集中させるのですな。

ここにテーピング例あり。

基本的な膜振動の振動モード(下図)を参考に
少し考察すると、単に□と○にするだけでは効果が得られないようだ。
メモ代わりに記しておく。定量的考察・応用等はまた今度。
パンデイロのテーピングに関する定性的考察_c0074054_7391281.jpg


四角と同心円
四角テーピングは周方向の高次モードの抑制を狙っていそうだ。
一方、同心円テーピングは、周方向に関するモードに対して何ら働きかけるものがない。
四角と同心円は、恐らく高次倍音構造が変わるだろう。

テープの幅
スザーノ風なら、むしろこの要素の方が重要では?
幅の広いテープを貼ることで、高次モードの発生を軒並み抑え、
打面のエネルギーを低次モードに集中させている。とみる。
細いテープは、逆に特定次数のモードを発生させると予想する。
スザーノを再度見ると、なるほど幅の広いの貼ってるやないの。

真中の重みづけ
これも特定次のモードに集中させる効果(=縮退?)であろう。タブラと同じ。
より音程感を持たせる効果があると思う。


単に□と×だけのテーピングにもう一工夫しないと
結局高次モードが発生して、ズドンとくる低音は出なさそう。
また逆に、ある倍音構造を狙ったテーピングも可能だと思うので、
その辺は工夫のし甲斐があります。

また、各パンデイロについて皮の厚みやら重さが違うので、
最適なテーピングは結局のところ各々で探すことになります。
ヤギ皮よりもプラヘッドの方が均質だし効果が確認しやすそうやね。

今後いろいろまとめてみよう。

(2)へつづく
by eikonal | 2006-01-11 00:26 | パンデイロ/ビリンバウ
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